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生命の不思議

2010.02.21 (Sun)

皆さんにご心配いただいている母は、とりあえず命をとりとめております。
昨日の晩には、当直の先生から「これ以上の心臓マッサージはもう・・・」と言われ、
それでも父とふたり決めかねて「叔父が来るまで」と5分10分決断を延ばすうちに、
心肺停止から一時間近くもたって心臓が動き始めました。
それでも、心臓を動かすための強い薬と人工呼吸器があってのことで、
慌てて駆けつけた主治医の循環器部長先生も、
「常識ハズレなくらいの強い薬を流し込んでやっと心臓が動いている状態です。
自発呼吸もできていませんし、なにより心臓が長い間動いていなかったので、
脳への影響が心配されます。
現時点ではおそらく植物状態といっていいかと思われます。
大変残念ですが、回復の見込みはよほどの幸運がないと・・・・」
と沈痛な表情で、いわば引導を渡された状況でした。
それが、夜中には少しばかりではあるものの自発呼吸が戻り、
今朝までには心臓を動かすために「常識はずれなくらい」使っていた薬も半分、1/3と減って、通常の緊急措置に使用される程度の量になりました。
しかも、植物状態と言われていた脳も回復の兆しがあり、
目を開けて、その焦点もなんとなく合うようになり、
呼びかけにはうなづいたり、かぶりを振ったりするようになりました。
命というものは、本当に不思議なものです。
母は、生まれつき心臓に致命的な欠陥があります。
ファロー四徴というものですが、もちろん取り上げた産婆さんには
そんな知識はありません。
ただ、経験から「この子は三日ともたない」と産婆さんは言ったそうです。
ところがその三日が過ぎ、「一歳の誕生日は迎えられまい」と言われたその日も経過し、三歳になり五歳になり、小学校に入りました。
身体が弱かったので体育は見学でしたし、学校も休みがちだったそうです。
貧乏で小柄で学校を休んでばかりで、そのくせ正義感だけは強くてリクツっぽい、
そういう子供は当然のごとく敵を作ります。
いじめられることも多く、けれど身体が思うに任せない・・・、
基本的には明るくて笑い上戸の母の、負けず嫌いでプライドの高い性格は
そのあたりから出来上がったものでしょう。
心臓の欠陥がはっきりと分かったのは成人してからだったようです。
当時としては奇跡的な、たぶん今の時代なら連日ニュースに取り上げられるような
難しい大手術を経て、結婚し、わたしという子供まで産みました。
ただ、当時の医学では四徴全てを手術で治すことは出来ず、
部分的には触れられなかった部分もあったらしいとは、
二十年以上たってからわかったことです。
しかも、その当時の手術ではやむを得なかった「黄色い血」の大量輸血によるC型肝炎にも後年苦しめられることになり、
肝硬変が進んでインターフェロンの投与も長く続けました。
「黄色い血」というのは、当時、売血制度によって東京なら山谷、大阪なら釜ケ崎などといった場所の
いわば社会の底辺にいた固定の供血者から得た血のことで、
繰り返し繰り返し売血することで、ついには血が黄色くなって血球すらなくなっていったものだそうです。
また、母は膠原病(シェーグレン症候群)も患っており、
重度の糖尿病でインシュリン注射も余儀なくされ、
以前には腎不全で死にかけたこともあり・・・、
メニエールや白内障・・・などといったものまで含めると、
数十にわたる病気を抱えた、まさに「病気のデパート」なわけです。
一般にはこの中のどれか一つとっても、心配して大騒ぎするような病気ばかりですが、
これだけ沢山抱えていると、本人も家族も病気に対する感覚が麻痺します。
ひとつ病名が増えても、あまり驚かなくなってしまいました。
とはいえ、とりわけ重度の障害はやはり心臓ということで、
内科的な障害では珍しい一級の認定をもらっているほどですから、
やはり大きな障害を抱えている身には違いなかったのですが・・・・。
本人はといえば、腰から下が少し不自由なことを除けば、
声が大きい、よく喋る、負けん気強い、
娘のわたしより大食い・・・・とまあ、傍目には元気なわけです。
家族以外の人は「どこが悪いの?」といぶかるし、
仮病じゃないの?と疑う人も少なくはなく、
お医者さんでさえ「また大袈裟な」といった苦笑い的な態度に出られるかたもあったようで、
本人を随分悔しがらせたものです。
それでも、これまでの七十余年の人生で、幾度も幾度も死にかけ、
今回などは完全に医師からも引導を渡され、
それでも人一倍生きたいと思う気持ちの強い、俗な言葉で言うなら「命根性が汚い」母は、
何度でも奇跡的な復活をとげようとします。
さすがに今回は無理だと思っていましたが、
今日の様子を見ると、これまでに重篤な状態になったときと同じ程度までは回復しています。
昨日心臓マッサージを受けていた裸の身体は、生きた人間というより
ゴムで出来た人形のように見えたけれど、
今日はちゃんと生きた母に戻っていました。
人間の命は本当に不可思議なものですね。
あつけなく奪われる場合もあれば、こんなふうに彼岸に行くのを頑なに拒否することもある・・・・。
まだ楽観はできませんが、とりあえず今は大きな変化もないので
「ご家族は自宅待機で」ということになっています。
さしあたり明日明後日は仕事を休ませてもらうことにしましたが、
その先の見通しはたちません。
自分がひどく冷静なことに、ほっとしつつも後ろめたい思いです。
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18:00  |  つれづれ  |  Trackback(0)  |  Comment(8)

Comment

お久しぶりです。お母様のこと、何と言ってよいのか・・・
私の祖母も生命維持装置につながれました・・・今から7年前くらいです。
誰かを待っているようでした。会いたい人がいたんですね。甥っ子(姉の長男)が会いに行きました。意識は既にありません。しかし、彼が祖母(彼にすれば曾祖母)のおでこを撫でた時に、彼の手を掴んだのです。初孫で、腰が痛いといいながらオンブに抱っこをして面倒を見てました。可愛い孫に会いたかったのです。そして、どんどん血圧が下がって行きました。それでも、まだ会いたい人がいるようでした。待っているようでした。祖母の夫の従姉を呼びました。何回か会って欲しいとお願いしてましたが中々来てもらえずにいたんです。彼女の息子さんにお願いしました。
ようやく待ちわびた人に会うことが出来て安堵したのでしょう。血圧がどんどん下がって、危篤状態です。機械に繋がれて生きているだけでした。母は(婿取りなので祖母は実母)決断したのです。もう辛くて見てられなかったのです。安らかに眠ってしまいました。二度と目覚めません。お葬式の頃から激しい春雷と雨。そして。カラりと晴れて庭の梅ノ木に一厘の花が咲きました。
めめさん。これからが時間との戦いだと思われます。とても長い辛い時間です。どうか、悔いの残らないように、そして、めめさんもお体を壊さないように、今以上の愛情をお母様に注いで上げてくださいね。
にゃん・マリ |  2010.02.21(日) 19:09 | URL |  【編集】

お母様の容態がお悪いこと、今知りました。
お母様の生命力の強さに、読んでいて目がしらがあつくなりました。
めめさんもきっとお疲れでしょう。
そんな気分になれないでしょうが、なんとか
栄養をとって少しでも眠れますように。
そして、お母様が少しでもこのまま快方に
むかわれますように。。。
ゆきんこ |  2010.02.21(日) 19:12 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

>>にゃん・マリさん
おばあさま、最期に会いたい人に会えて、満足して逝かれたのですね。
わたしは母とのキョリのとりかたがよくわからないままこの年になりました。
母はわたしとのキョリをあまりにも詰めたがり、
わたしはそれが苦しくてキョリをとろうとしてきた40ン年でした。
いざこういう事態になると、自分からうまくキョリを詰めることができず
自分がもどかしくもあります。
幸いにして(?)母はどうやら彼岸からこちらへ戻ってきつつあります。
これからどうなるか・・・・しばらくはじっくり様子を見なければなりません。
**めめ** |  2010.02.21(日) 20:09 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

>>ゆきんこさん
わたしは不思議に冷静で、食欲もあります。
時折発作的に、これからどうなるんだろう、と胸がいっぱいになることがありますが
母の身体についての不安はこの40年ずっとわたしにつきまとってきたもので
今更どうこうというものではありません。
ただ、ここ2~3年で弱ってきた父が、今回かなりダメージを受けているようで、
両親共倒れという事態になった場合に、自分がもちこたえられるかどうかという心配をしてしまいます。
なるようにしかならないと、ゆったり構えるしかないのですが・・・・。
**めめ** |  2010.02.21(日) 21:00 | URL |  【編集】

なんて素敵なお話でしょう!読んでいて、思わず涙が流れました。生命って、本当に不思議です。私も父を見送ったときのことを思い出しました。生命って、人間お力の及ばないところにある、と思ったものでした。
ゲチャコ |  2010.02.21(日) 22:16 | URL |  【編集】

久しぶりの書き込みです。
本当に大変なときは、変に冷静になってしまうものだと思います。
めめさんも、大変な時でしゅから、お身体を大切にね。
クリクリ |  2010.02.22(月) 00:01 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

>>ゲチャコさん
まだまだどう転ぶかわからない状態ですが、
母本人が頑張っているので、こちらも辛抱強く静観したいと思います。
最後の最後はやっぱり神様の思し召しのままなのかもしれません。
**めめ** |  2010.02.24(水) 19:33 | URL |  【編集】

Re: タイトルなし

>>クリクリさん
こういうときは、もっと取り乱すべきなのかと思ったりもします。
冷静、と 冷淡、は違うつもりですが、
なんとなく申し訳ない気がします。
でも、いまは冷静に見守るときかなと思っています。
**めめ** |  2010.02.24(水) 19:35 | URL |  【編集】

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